嫁塾 分冊版
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嫁塾 分冊版 case1
めろん
「あなたどういう躾けを受けてきたの?これじゃお嫁さんをもらった意味がないじゃない」
口うるさい義母が過干渉すぎて鬱陶しい。人の生活に関わってこないでよ――
私・光代と夫との間に子どもは無し。
あるのは、夫の母親である勝江58歳のアポなし訪問ばかり…。
古臭い価値観を押し付けてきて、部屋が汚いやら妻の恥やら小言を聞かされ続ける日々。
確かに部屋は人を招き入れられるような状態ではないし、
褒められた主婦ではないかもしれないけど…。
それに…お酒を煽る父、内職漬けの母…会話のないうす暗い部屋の中、兄弟と身を寄せて過ごす幼少期の私。
思い出したくもないはずの記憶に縛られているのかもしれなくて――
そんな心をすり減らすある日、私の前に『カノジョ』は現れた。 -
嫁塾 分冊版 case6
めろん
『老後の面倒は自分達で責任を持つ』
結婚の際に交わした義両親との約束。端的に言えば、介護なんて面倒ごとは絶対いたしません!!
なのに、ギックリ腰だから介助して欲しいと厚顔無恥に頼み込んでくる舅。
確かにお姑さんは良い人だけど…そのために私の生活が制限されたり、
時間を束縛されるなんて耐えられないー!!
しかも、間抜けなことにギックリ腰の上に火傷までしたって言うんだから、面倒なことこの上ない。
結局、人生は快楽や贅沢を最優先させて生きたほうが楽しいはずなのよ。
利己主義言動を連発する非情な鬼嫁だったが、彼女にも「そうせざるを得ない」理由があって!?
罪の意識を嘘と言い訳で正当化しても抱えている『本当の想い』は鉛のように重さを増していき―― -
嫁塾 分冊版 case5
めろん
自分の意見を言うのが怖い。嫌われるのが怖い。だから逆らわない。荒波は立てない―…
沁みついたイジメラレ体質は大人になっても変わらない。夫や義両親もしょせん他人なのだから…
夫の転勤により、義両親との同居が決まってしまった美香。
そんな大事なことを勝手に決めてしまったことに憤りもあるが、
なにより親交も少ない義両親と一緒に暮らすことに大きな不安を感じる。
不安は果たして現実のものになり、
料理の味、タバコの煙、冷暖房のひとつを取っても我慢の連続。
悪い人たちじゃないのは分かっているけど… それでもこんな生活がずっと続くなんて―…
そんなある日、新しい命を授かることになり!?
子どもが生きやすい環境づくりのためにも、より一層我慢しなくちゃー…。
我慢して我慢して我慢し続けて、そうすればきっと円満な家庭が築けるはずだから―― -
嫁塾 分冊版 case4
めろん
「外のバイ菌から翔太も私も守らなきゃ」
強迫観念に支配された母親。我が子をきれいにしなきゃ。もっと。もっともっと。
結婚して土地環境も変わって、人間関係もリセットされてストレスばかりの生活。
もともと人づきあいは大の苦手なのに、夫の社宅暮らしで我慢も限界っ。
みんなイイ顔して腹の中で何を考えてるのかわかったもんじゃないんだもの。
汚らわしい人間たち。汚らわしい外の空気。すべてが身体を蝕む病原菌のようにさえ思える。
両親以外に唯一信頼していた夫も、能天気な姑も今は全員敵。
せめて、我が子・翔太は穢れさせないように母親の私が注意してあげなくちゃ。
身体の汚れはタワシで徹底的に擦り上げて、幼稚園の登園も最低限に。
これも全部あなたのためだからね。
埃ひとつない快適なはずの部屋で、けれど、気づけば一家離散の危機に――
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